リハビリテーション科 内科・胃腸科 (166号掲載)

2017年02月更新記事
ピロリ菌治療 胃がん

約2800名を8年間に渡って追跡した日本の研究から、ピロリ菌感染者からは36名の胃がん患者が発生したが、ピロリ菌に感染していない者からは1例も発生しなかったという論文があります。これによると、ピロリ菌感染者全員に胃がんが発症するわけではなく、ピロリ菌感染率には男女差はないが、胃がんは明らかに男性に多いのです。
我が国のピロリ菌感染者は約5000万人います。富山大学の杉山先生の計算では、この中の約500万人に胃がんが発生するということです。感染者の多くは、小児期に口からピロリ菌に感染し、ピロリ菌感染胃炎を起こします。そして長い年月を経て、胃粘膜が萎縮し、やがてそこからがんが発生します。ピロリ菌感染胃炎に食塩過剰や野菜不足などが重なり、胃がんになると言われています。
東南アジアにあるマレーシアは主にマレー人、中国人、インド人から構成される国ですが⦆マレー人には胃がんが少なく、中国人には胃がんが多く、インド人はピロリ菌感染率は高いが胃がんは少ないという傾向にあり、この差は食生活の影響かと議論されています。(参考日本消化器病学会誌)

ほづ医院 
日本ヘリコバクター・ピロリ感染症認定医  
保津真一郎保津真一郎 (内科医師)

西宮市里中町3-3-5阪神鳴尾駅北5分 TEL:0798-45-2711
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リハビリテーション科 内科・胃腸科 (165号掲載)

2016年12月更新記事
ピロリ菌治療 胃がん予防のために

日本ヘリコバクター学会は、今年8月にピロリ菌感染の診断と治療のガイドラインを7年ぶりに改訂しました。ここでは、ピロリ感染胃炎や胃食道逆流症にもピロリ菌除菌を強く勧めています。
胸焼けなどの症状の胃食道逆流症に長期間、酸分泌抑制薬を投与することがあります。ピロリ菌感染者にはピロリ菌を除菌するのを勧めています。ピロリ菌の検査をして「陽性」なら、ピロリ菌を除菌するための3種類の薬を1週間服用します。これを「1次除菌」といいます。ここで約8割位の人が完全に除菌できます。しかし、2割の人がまだピロリ菌を除菌できていません。
大事なのは、その後4週間後にピロリ菌の検査が必要なことです。そこで、ピロリ菌が消えていなければ、異なる3種類の薬を1週間服用します。これを「2次除菌」といいます。もちろん、2次除菌後にも完全に除菌できたかどうかの検査が必要です。さらに、除菌後も胃がんリスクは高いので、50才以上の人は胃内視鏡での定期的な検査が必要です。

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リハビリテーション科 内科・胃腸科 (164号掲載)

2016年10月更新記事
胃がんとピロリ菌と食塩摂取の関係

1994年にWHOは、ピロリ菌を胃がんの確実な発がん因子と認定しました。2016年2月に厚生労働省が「がん予防重点教育及び検診実施のための指針」を発表しました。このとき、胃がん検診に「胃内視鏡検査」が追加されました。
胃内視鏡検査はピロリ菌感染による「萎縮性胃炎」を診断でき、ピロリ菌に感染している人を発見するのに効果的です。また、ピロリ菌感染者で萎縮性胃炎を有している人について食塩を多く摂取しているほど胃がんの発症が多いと、「久山町研究」の論文で発表されています。
米国に移住した日系1世の胃がん発症は日本より25%少なく、2世になると50%減少します。ブラジルに移住した日系人は日本と発症率は変化はありませんでした。これは米国移住者より、漬け物やみそ汁などの日本の習慣を維持したためと言われています。

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リハビリテーション科 内科・胃腸科 (163号掲載)

2016年08月更新記事
日本ヘリコバクター学会のガイドラインの改訂について

今年の6月にヘリコバクターピロリ菌の診断、治療が7年振りに改訂がありました。わが国では胃がんの原因は、ヘリコバクターピロリ感染であり、ヘリコバクターに感染していない胃がんのリスクは極めて低いと言われいます。ヘリコバクターに感染すると、ヘリコバクター感染胃炎になると言われており、その後、潰瘍、胃がん、ポリープなどになりやすい傾向にあります。
2013年に「ヘリコバクター感染性胃炎」の治療が保険適用になりました。感染者は人口の35%と言われています。検査で感染が判ると、ヘリコバクター菌を除菌する3種の薬を7日間服用します。これにより70%~90%の人が、ヘリコバクター菌を除菌できます。これで除菌できない時は、別の3種の薬でもう一度除菌を試みます。1回めの3種の薬のひとつがマクロライド系の抗生剤ですが、これは小児科、耳鼻科、呼吸器科などでも広く使用されているため、ヘリコバクター菌がマクロライド系の抗生剤の耐性を持つと言われています。

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リハビリテーション科 内科・胃腸科 (162号掲載)

2016年06月更新記事
胃がん 予防について
今年6月の「ヘリコバクター学会」からの情報

胃がんの死亡者は年間約5万人で過去20年間減少していません。高齢化がすすみ、団塊の世代が60歳を超えました。この世代から胃がん発症が増えてきます。幼少期にピロリ菌に感染して、50から60年たったころに胃がんが発症すると言われています。
篠山市では、2014年から中学生に「ピロリ菌」検診と除菌が公費で始まりました。その結果、5.35%の陽性率でした。乳幼児期に家族内での感染が多いと言われています。学会理事長先生は40歳以上のピロリ菌感染者が全員除菌治療して、2年に一度内視鏡検査をすれば、10年後に胃がん患者は1/4まで減少し、その半数以上が早期胃がんで発見され、胃がん死は激減するでしょうと発表しました。

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リハビリテーション科 内科・胃腸科 (161号掲載)

2016年03月更新記事
胃痛に悩んだ「アイスマン」

1991年にアルプス山脈に登山をしていた夫婦が,氷の中から死体を発見しました。同時に衣類、フードや紐付き外套、紐付き皮靴、弓矢や銅製斧も発見されました。発見されたのは、5300年前の凍結ミイラで「アイスマン」と名付けられました。
2011年にイタリアのマイクスナー博士は、胃の残留物からピロリ菌のDNAを探しだすことに成功しました。アイスマンのピロリ菌のゲノムを詳しく調べたところ、この細菌株は特にたちが悪く、炎症を引き起こす遺伝子を含んでいました。それは現在のピロリ菌の変種にも見られるものでした。また、炎症に反応して現れるタンパク質の形跡も見つかったことから、死亡時にはひどい胃痛に悩まされていた可能性があると推定されています。

(参考 文献:ナショナルジオグラフィック)

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2016年01月更新記事
経鼻内視鏡とえんげ機能評価検査

「経鼻内視鏡(鼻から内視鏡)」は、鼻の穴から内視鏡(胃カメラ)を挿入します。鼻から咽頭を通って、食道・胃・十二指腸に内視鏡の先端が到達します。「経口内視鏡(口から内視鏡)」に比べて、見下ろす角度が最適で喉頭がよく見えます。これらのことから、胃がん検診に来て、「咽頭がん」や「喉頭がん」が発見されることがあります。「経鼻内視鏡(鼻から内視鏡)」で検査して、高齢者の咽頭部に多量の唾液・痰や食べ物のカスが残ってることがありますが、これは「えんげ障害」の影響です。えんげリハビリ「シャキア・エクサイズ」を開発したシャキア博士が、2006年の消化器関連学会(ロサンゼルス)で「消化器内視鏡医はえんげ機能評価の知識が必要である」と講演しました。当院では、嚥下障害の相談を受けています。

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