不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (125号掲載)

2011年12月更新記事
不妊症あれこれ ~iPS 細胞による不妊治療の可能性~

ともも読者の皆さま、長らくこのコラムにお付き合い下さり有り難うございました。いよいよ最終回を迎える事になりました。今まで本当に有り難うございました。今回は、話題のiPS細胞による不妊治療の可能性についてお話したいと思います。iPS細胞とは体を構成する体細胞の特定の遺伝子を組み替えることで作られる万能細胞です。日本の山中伸弥教授の発明によるもので、近い将来山中教授はノーベル賞を受賞することになるはずです。さて、今年になって京都大学の研究チームが、このiPS細胞から精子を作り出し、卵子と体外受精させてマウスの子どもを誕生させることに、世界で初めて成功したことを報告しました。この技術を応用すれば近い将来、iPS細胞から卵子を作り出すことも可能になることでしょう。無精子症や早発閉経で卵子が無くなってしまい妊娠を望めないカップルの治療が可能になるかも知れません。もちろん、技術の確立、安全性の確認にはまだ何年もかかる可能性がありすぐという訳ではありませんが夢の広がるニュースですね。

英ウィメンズクリニック

神戸市中央区三宮町1丁目1-2 三宮セントラルビル2階
TEL078-392-8723 FAX078-392-8718 
http://hanabusaclinic.com

不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (124号掲載)

2011年11月更新記事
不妊症あれこれ ~卵管狭窄について~

不妊の原因の中で重要な位置をしめている卵管の異常ですが、その診断は容易ではありません。子宮卵管造影検査を行えば、卵管障害の終着駅といえる卵管閉塞や卵管水腫を判断することは難しくないのですが、その手前の卵管狭窄を判断することは容易ではありません。実際、卵管狭窄を発見できず、原因不明不妊症という判断のもと人工授精を繰り返すも 妊娠に至らない、というケースがあります。当院では、卵管閉塞の手前の狭窄の段階で異常を発見し、治療することに力をいれております。具体的には、子宮卵管造影検査の際に子宮内圧を同時に測定します。こうする事で、造影剤の注入圧から卵管狭窄を判断するようにしています。   
また、子宮鏡検査を重視しています。子宮の中にファイバーを挿入しますと、子宮筋腫やポリープの有無がわかりますが、さらに、子宮の中に開いた卵管の入り口を左右1対観察することができます。 この様子から卵管の状態を判断するのです。子宮卵管造影検査で正常とされる方でもこの卵管の入り口が塞がっているケースにしばしば遭遇します。

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不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (123号掲載)

2011年10月更新記事
不妊症あれこれ ~妊娠の不思議について~

今回は自己注射教室についてお話しします。不妊治療では、排卵誘発剤の注射を使うことがあります。排卵障害の程度が重い場合や体外受精などでは、1~2週間毎日注射を打ち続けるような治療を行うこともあります。毎日病院に通って注射を打つのは、多くの方にとっては負担が少なくなく、交通費もばかになりません。昨年より、排卵誘発剤の自己注射が一部保険で行えるようになりました。当院でも、自己注射を積極的にお勧めしています。「自分で注射するなんてとても無理」とお考えの方も多くいらっしゃいますが、ご心配ありません。当院では、自己注射教室を第2・4月曜日と毎週木曜日(祝日は除く)に開催しており、基礎からじっくりとご指導させていただいております。およそ2時間の講習ですが、参加された方のほとんどが自己注射をできるようになります。どうしても自分では無理とお考えの方は、ご主人とお二人で講習を受けていただき、ご主人に覚えていただくようにしています。注射のためだけに病院に通う時代は過去のものとなりつつあります。

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不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (122号掲載)

2011年09月更新記事
不妊症あれこれ ~妊娠の不思議について~

今回は子宮外妊娠についてお話ししたいと思います。子宮外妊娠とは読んで字のごとく、子宮の「外」に妊娠することを言います。
最も多いのは卵管内での妊娠です。他には、お腹の中や卵巣の中の妊娠、あるいは子宮の一部ではあるけれども本来妊娠が起こらない場所である、卵管間質部や子宮頚部での妊娠 も子宮外妊娠とされます。全ての妊娠の1%前後に起こると考えら れており、原因として最も多いのは、卵管が傷んでいることです。  
子宮外妊娠の治療ですが、経過観察していれば自然に消滅するものもあれば、お薬(メソトレキセート)の注射で治す方法、そして手術で治す方法等があります。発見が遅れると卵管が破裂し出血を伴い、緊急手術や輸血を必要とすることもありますので、早期発見、早期治療が大切です。月経が遅れて「妊娠かしら」と気づいたら、早めに産婦人科を受診すると良いでしょう。過去に子宮外妊娠の経験がある方が次の妊娠でも子宮外妊娠となる可能性は、かなり高くなることがわかっていますので特に注意が必要です。

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不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (121号掲載)

2011年08月更新記事
妊娠の不思議について

赤ちゃんは、お母さんとお父さんの遺伝子を半分ずつ受け継いで生まれてきます。お母さんにとって、赤ちゃんはかわいい我が子には違いないのですが、半分はお父さんの遺伝子をもっているため、免疫学的には半異物ということになります。実際、お母さんと胎児では、血液型が異なっていることもあります。通常、体内に移植された異物は拒絶反応によって排除されます。異なった血液型の血液の輸血では拒絶反応が起こるのと同じことです。従って、半異物である胎児が、お母さんの子宮のなかで育ち、拒絶されずに発育するのは不思議な現象と言えるでしょう。

近年、免疫学の進歩に伴って、半異物である胎児が拒絶されずに発育するメカニズムは徐々に解明されつつあります。そして近い将来このメカニズムが完全に解明されれば、不妊治療も大きく前進することでしょう。流産の予防にもつながることになります。さらに、臓器移植における拒絶反応の予防にも道が開けることになります。


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不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (120号掲載)

2011年07月更新記事
子宮内膜症という病気をご存じでしょうか。20代~30代の若い女性に多い婦人病ですが、10代でも見つかることがあります。症状としては、生理痛がだんだんひどくなり、腰痛や性交痛をきたすこともあります。進行すると卵巣嚢胞を形成し、やがて不妊症にもつながっていきます。  婦人科では、症状の様子や超音波検査、MRI検査、血液検査等を通じて診断します。初期の子宮内膜症は、腹腔鏡検査でなければ診断できないこともありますが、一旦妊娠すると症状は改善します。  

子宮内膜症は、早期発見、早期治療が大切です。早期に治療を開始することで重症化することを予防できます。生理痛がある時にはあまり我慢せず早めに婦人科を受診し、もし子宮内膜症が発見されたら、早期治療を考えましょう。治療は、漢方薬、ホルモン薬などのお薬が中心です。病状が進行している場合には、手術治療を必要とすることもあります。すでに結婚されている方であれば、早めの妊娠計画を立てると良いかと思います。


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不妊症あれこれ 〜赤ちゃんに会いたい〜 (119号掲載)

2011年06月更新記事
体外受精では、受精卵が複数個できることが多くあります。子宮に移植する受精卵は1個ですので、いくつかの受精卵が余ることになります。そこで、この余った受精卵を保管できないかと開発されたのが凍結保存技術です。妊娠できなかったときに、この凍結しておいた受精卵を融解して移植することでチャンスが広がります。受精卵の凍結保存にはもうひとつメリットがあります。たとえば、37歳の時に体外受精で妊娠された方が、42歳になって2人目を欲しいとお考えになったとします。女性の年齢とともに、体外受精での妊娠率は低下し、染色体異常や流産のリスクが高まりますので、37歳の時の受精卵があれば、この受精卵で妊娠できるチャンスがあります。このように、凍結保存技術にはメリットが沢山あります。  

凍結保存することで、生まれてくる赤ちゃんに悪影響があるのでは?とご心配される方もありますが、すでに多くの赤ちゃんが凍結受精卵から出産されている現在、そのようなご心配は無いことがわかっています。


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