今日から役立つ生活習慣病教室 (154号掲載)

2015年01月更新記事
糖尿病シリーズ 70 eGFR

数年前に本邦で「近視進行防止と屈折矯正」という大規模な研究斑が立ち上げられ、昨年その研究成果が報告されました。その報告のなかに、近視の進行を抑制する方法として、アトロピン点眼、オルソケラトロジー(以下、オルソ)、ビレンゼピン眼軟膏、特殊な眼鏡やソフトコンタクトレンズが検討され、この順に進行抑制効果が高いことが判りました。一番効果の高いアトロピン点眼は副作用のため実用化できないので、臨床上最も効果の高い方法は現時点でオルソになります。オルソとは、特殊なハードコンタクトレンズを毎晩着けて寝るだけで朝から裸眼で見える治療法で、安全面でもハードコンタクトレンズ並みに高いです。今回の報告では8歳から12歳の小学生を対象にオルソが行われましたが、低年齢でオルソを開始したほうが近視が進行しにくいことが判りました。このようにオルソには裸眼視力を向上させるうえに近視の進行を抑える効果があり、いいことずくめなのですが、残念ながら今のところ健康保険が適応できず、自由診療となります。当院でも開業当初からオルソを予約制にて行っておりますので、お気軽にご相談ください。

渡辺内科クリニック 渡辺伸明(日本糖尿病学会専門医)

西宮市和上町2-39(阪神西宮駅西すぐ) TEL0798-23-5160
http://www.watanabe-naika.jp/
※栄養相談健診後の指導は院内「(有)トムテ」で行っています
TEL 0798-23-7633
http://www.tomte2006.jp/

今日から役立つ生活習慣病教室 (153号掲載)

2014年12月更新記事
糖尿病シリーズ 69 サルコペニア

「サルコペニア」という言葉をご存知でしょうか。高齢者において低栄養状態から筋肉量が減少することをいいます。筋肉が減少すると運動能力が低下し、寝たきりの原因になります。またサルコペニアは、インスリン抵抗性(体内でインスリンの効き目が低下すること)にもつながり、結果として糖尿病の病状を悪化させるのです。年齢を重ねるにつれあっさりした食べ物を好みがちですが、むしろ高齢になるほど筋肉の素になる肉などのタンパク質をがんばって食べる必要があります。また予防には運動が必須ですが、ウォーキングだけでは不十分で筋力を維持するためのトレーニングを加えると有効です。今年発売された注目の新薬、SGLT2阻害薬は高齢者への処方は避けるように警告されています。この薬は尿糖を増やして体重を減らしますが、やせ形の高齢者では筋肉量の減少につながり、サルコペニアを悪化させる恐れがあるためです。

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今日から役立つ生活習慣病教室 (152号掲載)

2014年10月更新記事
糖尿病シリーズ 68 人工甘味料

最近、イスラエルの研究グループから人工甘味料と糖尿病についてのショッキングな報告がありました。アスパルテーム、スクラロースといった人工甘味料をマウスに大量摂取させると、腸内細菌の状態に変化が起こり、血糖が上がりやすい状態になるというものです。実際にこれらの甘味料を使用している人たちには、高血糖の傾向があることも調査で明らかになりました。アスパルテームやスクラロースは、カロリーオフの清涼飲料水やスポーツドリンクに多く使われています。従来から人工甘味料は直接的に血糖を上げないものの、インスリン分泌が刺激され肥満の原因になるのではないかと危惧されていました。また自然な糖より甘みが強いため、甘みに対する依存や食欲亢進につながる危険性も指摘されていました。今回の報告により、人工甘味料が糖尿病の発症増悪につながる懸念が高まったといえます。夏場の水分補給の目的で人工甘味料を使った飲み物を無条件に勧めるのは難しくなりそうです。


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2014年08月更新記事
糖尿病シリーズ 67 低血糖防止のために

今年4月にSGLT2阻害薬が発売され、糖尿病治療に用いる経口薬は7種類となりました。患者さんの個々の症状に合わせた使い分けが必要で、まさにオーダーメイド治療の時代がきました。DPP-4阻害薬の発売時にもSU薬との併用で低血糖が問題になりましたが、SGLT2阻害薬でも併用時の低血糖予防のため、それまで使用していたSU薬を減量するように推奨されています。実際に多剤併用が一般に行われるようになってから、SU薬の使用量は統計的にも減少しています。近年の大規模臨床研究からは、単純にHbA1cの低下を目標とした治療が必ずしも良い結果につながらないとする報告が相次いでおり、併用薬を上手に使って低血糖を回避しつつ質の良いコントロールを目指すのが治療の主流となっています。SU薬の具体的な使用量としてはアマリールで4mg以上、ダオニール、オイグルコンなら5mg以上を使用している方は、主治医と相談して減量を検討されるとよいでしょう。


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2014年06月更新記事
糖尿病シリーズ (66) 家庭血圧

高血圧治療のガイドラインが改訂されました。今回は、降圧目標の目安に家庭血圧を加えたことが注目されます。診察室の血圧が正常でも自宅での血圧が高いパターンを仮面高血圧と呼びます。ことに診察室ではチェックできない早朝の高血圧は、自分で確認しない限り判定できません。早朝高血圧は、脳卒中や心筋梗塞の危険を高めます。早朝血圧の測定のルールを覚えてください。起床後1時間以内、排尿後かつ朝食前、座って1、2分安静後に測るのが基本です。血圧計は手首ではなく、肘の上で測定する機種が推奨されています。血圧計は食卓の上などにおき、腕に巻くカフが心臓の高さになるように巻いてください。早朝高血圧の基準は135/85mmHg以上ですが、年齢や糖尿病の有無により基準値は少し変わります。診察時には血圧手帳に測定値を記録してお持ちになり、ご自身の適正値については主治医に確認してください。


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今日から役立つ生活習慣病教室 (149号掲載)

2014年04月更新記事
糖尿病シリーズ (65) 患者会の一コマ

4月の桜が満開のころに当院の患者会で調理実習をしました。会場には、調理器具の完備した栄養学校をお借りしました。鯛の酒蒸し桜あん、おろしれんこんの蒸し饅頭、温野菜盛り合わせ、彩りおにぎり、と春らしい料理が並びました。食べるだけでなく、見る楽しみも豊富なのが和食のいいところです。もちろん当院の管理栄養士が知恵を絞って、カロリーや栄養配分にも配慮したメニューです。調理が終わって完成したお料理を患者さん、スタッフで一緒にいただきました。新薬も次々と登場しますが、薬に頼りきりで治療の土台である食事療法を手抜きしてはいけません。“食の楽しみ”を失わずに糖尿病の療養をサポートしていけるよう、これからも工夫を重ねていきたいと思います。


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2014年03月更新記事
糖尿病シリーズ (64) SGLT2阻害薬

今年新たに発売される糖尿病治療薬の中で、最も注目されているのが「SGLT2阻害薬」です。SGLT2は、腎臓で尿から血液への糖の再吸収を行います。このSGLT2の作用を妨げると、血液中の余剰な糖を尿に捨てて血糖を下げることができます。体内のエネルギーをロスさせるため体脂肪の分解が進み、そのため血糖が低下すると同時に、体重が減少します。肥満傾向のある糖尿病患者さんにはありがたい薬ですが、いくつか注意点もあります。尿糖が増えるにつれ尿量が多くなり、高齢者では脱水が起きるかもしれません。また、増えた尿糖が細菌の温床となって感染が多くなる可能性があります。今までになかったユニークな作用の薬ではありますが、食べ過ぎをカバーするわけではありません。基本である食事療法をしっかり行った上で、処方を考えたいと思います。


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