乳腺外科 (166号掲載)

2017年02月更新記事
乳腺よもやま話 (46) 英国BBCが選ぶ世界の女性100人

英国BBCが選ぶ世界の女性100人に小林麻央さんが選ばれました。日本人から選ばれたのは1人だけでした。がんと向き合う率直な思いをブログでつづり、同じようにがんと闘う人を含めて多くの人々の共感を呼んだことが評価されたということです。私もフォローをしていますが、乳がんの患者さんがどのように感じ、どのように行動しているのかということを日々知ることができて、非常に参考になります。そして何より病気に押しつぶされることなく、前向きに生きていく様に感動を覚えます。
麻央さんが病気を公表して以来多くの女性、特に若い女性が乳がんに対する意識を高めました。検診にも積極的に参加されています。決して他人ごとではありません。自分の問題として考え、行動していただきたいものです。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (165号掲載)

2016年12月更新記事
乳腺よもやま話 (45) 視触診検診は必須か?

厚生労働省は、乳がん検診における視触診を推奨しないという判断を下しました。その根拠は、一つには視触診検診が乳がん死亡を減らすというエビデンスがないこと、もう一つは視触診に医師を手当てすることの困難さがあると思われます。
この方針に則り、多くの自治体で乳がん検診から視触診を省略する方向となってきています。これにより様々な方法でもなかなか上昇しなかった受診率の向上を促したいものです。そして医療サイドは、視触診省略による見逃しを最小限に抑える努力をすることが大事です。また受診者側も症状のある人は検診の対象でないことをよく認識していただき、少しでも変だと思うことがあれば検診ではなく乳腺外来を受診していただきたいと思います。医療者、受診者双方の努力により乳がん死亡を減らせるようご協力のほどお願いします。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (164号掲載)

2016年10月更新記事
乳腺よもやま話  (44) 新しい乳がん免疫療法

最近、新しいがん免疫療法が脚光を浴びています。アメリカの権威ある科学雑誌“サイエンス”は21世紀の医学で最も注目されるのは免疫療法であると予言しました。これまで様々ながん免疫療法がありましたが、科学的に有効と認められたものはほとんどありませんでした。ところが発想の転換と医学の進歩は全く新しいアプローチのがん免疫療法を実現しました。
従来の免疫療法とは違い、抑制性の免疫を抑えることによりがん免疫を促進させるアプローチがとられました。最新の分子生物学の進歩によりその抑制因子をブロックする薬が開発され、これが画期的に効きました。この薬は免疫チェックポイント阻害剤と総称され、一部は臨床応用されています。さらに新薬が続々治験されています。決して万能薬ではありませんが、がん撲滅の有効な手段であることに違いはありません。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (163号掲載)

2016年08月更新記事
乳腺よもやま話  (43) 小林麻央さんの乳がん

歌舞伎役者の市川海老蔵さんが、妻でフリーアナウンサーである小林麻央さんの乳がんを告白しました。約2年前の人間ドックで見つかったものの手術をせず、抗がん剤治療で入退院を繰り返す進行がんとのことでした。
まだ30代前半で2人の幼いお子さんの母親が深刻な状況であるということで、世の若い女性に衝撃が走りました。それほど多いわけではありませんが、女性の若年がんでは乳がんの頻度が一番高いのは事実です。必要以上に恐れることはありませんが、十分に注意することは大事です。当院にも多くの方が受診されました。これを一時的なブームで終わらせることなく、若いうちから自分の乳房に関心を持つことは大事です。20代で一度検査を経験して、30歳からは定期的検診をお勧めします。
詳しい状況はわかりませんが、とにかく今は麻央さんの回復を心から祈るばかりです。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (162号掲載)

2016年06月更新記事
乳腺よもやま話  (42) 乳がんとタバコ

5月31日はWHOが定める世界禁煙デーです。タバコはがんや心臓病を引き起こすなど百害あって一利なしです。がんの要因の3分の1はタバコと言われています。つまり禁煙によって世の中のがん3分の1をなくすことができるのです。臨床データは、乳がんについてもタバコが危険因子であることが証明されています。さらにタバコは吸う人にとどまらず、周りの人も影響を受けます。いわゆる受動喫煙です。
世界的な禁煙運動の広がりにより、日本でも喫煙率は減少傾向にあります。ただし女性の喫煙率は横ばいで、若い女性ではむしろ増加傾向にあります。日本では乳がんの発生は右肩上がりに上昇しています。タバコもその要因の一つであると危惧されます。
禁煙により乳がんの発生を防ぎ、その延長線上に乳がん死亡を減らせることを願ってやみません。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (161号掲載)

2016年03月更新記事
乳腺よもやま話 (42) 乳がんと生殖医療

乳がんは20代、30代の比較的若い女性もり患します。乳がんの治療は妊娠、出産の障害となる場合があります。以前は治療か妊娠かの二者択一が迫られましたが、生殖医療の進歩により様々な選択肢が可能となってきています。パートナーのいる患者さんの場合は、受精卵の凍結が一番確実となります。
パートナーのいない患者さんには卵子の凍結が可能です。さらに最近は卵巣の凍結が可能となってきました。乳がんの治療が一段落してから人工授精、妊娠が可能となります。
若い女性が、万一乳がんの診断を受けた場合、治療に専念することは大原則です。そのうえで将来妊娠することも決して不可能でないことは十分周知していただきたいものです。医学の進歩は様々な形で恩恵をもたらしていることを実感させられます。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com

乳腺外科 (160号掲載)

2016年01月更新記事
乳腺よもやま話 (40) “ むこねっと”

“むこねっと”とは、兵庫県南部の病院と診療所を結ぶITネットワークの名称です。国が進める病診連携の方針に基づき、兵庫県は地域医療再生計画事業の一環として病診医療IT化を進め平成26年より実際の運用を始めました。具体的には県南部7市1町(西宮、尼崎、芦屋、伊丹、宝塚、川西、三田、猪名川:総人口約170万人)の約1500医療機関をつなぐネットワークシステムを構築し、医療画像、検査結果などを共有して検査、診察予約の簡素化を実現しました。現在12病院870医療機関が登録し、機能も順次拡張中です。このシステムが広がり、うまく活用できれば病院と診療所の連携がより効率的に実現できます。患者さんはもちろん医療機関にとってもメリットは非常に大きなものがあります。今後の発展に大いに期待したいものです。

さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com