皮フ科・形成外科 (166号掲載)

2017年02月更新記事
皮疹のお話 ① ニキビについて

ニキビは青春のシンボルといわれますが、二十歳を過ぎて発症したり、中年以降に白ニキビ(面ぽう)が出来ることもあります。ニキビでは、毛穴にある脂腺の働きが活発になり皮脂の分泌が増え、更に毛穴の角層が厚くなって毛穴がつまり、そこにアクネ菌等の細菌が感染して、赤く盛り上がります。性ホルモンの影響、化粧品による毛穴の目詰まり、過度な紫外線、不規則な生活習慣、バランスの悪い食事等がニキビを悪化させます。この時期は特にチョコレートとの関係が気になりますが、ニキビとは科学的に明らかな因果関係が無いようです。しかし、脂質や糖質を取りすぎると、皮脂の過剰分泌や毛穴のつまりが起こりやすくなるといわれています。ひどいニキビでは、凹んだアバタや盛り上がったケロイドを残してしまい、治療が難しくなります。
近年は、ニキビを出にくくする塗り薬の幾つかが医療機関で処方出来るようになったので、積極的に受診することをお勧めします。

皮フ科・形成外科
田所クリニック 田所丈嗣 (医学博士)

西宮市田中町5-20-2F (エビスタ西出口すぐ)
TEL0798-36-1112 http://tadokoro-clinic.jp

皮フ科・形成外科 (165号掲載)

2016年12月更新記事
皮疹のお話 ① 乾燥肌について

肌が乾燥する時節となりました。乾燥肌の方は、脂腺の働きが弱くなるため、皮膚表面を覆う皮脂が少なくなり、肌の水分が抜けて粉が吹いたように乾燥してしまいます。アトピー性皮膚炎の方では、皮膚のバリア機能が低下しているため、角層がダメージを受けることで乾燥しやすくなり、更に皮膚炎が悪化することにつながります。脂腺が多い顔は乾燥しにくいのですが、化粧品やクレンジング等で肌荒れを起こして乾皮症のような症状がおこることもあります。
乾燥肌は痒みを伴うことがほとんどで、引っ掻いてしまうと、硬く盛り上がってしまい、より痒みが増してまた掻くといった悪循環に陥ってしまいかねません。痒いところにはステロイド等の抗炎症剤を塗って掻かないようにし、乾燥部にはヘパリン類似物質等を含んだ保湿剤を頻繁に塗るように心がけて下さい。入浴時には、間違っても石けんでゴシゴシ擦ったりせず、綿のタオルで肌を優しくなでるだけにしましょう。

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2016年10月更新記事
ケガのお話 ③ 顔の切り傷について

ハロウィーンで切り傷のフェイスペイントした方々を見かける時節となりました。もし本当にあれほど派手なケガなら、かなり深くまで切れていることになります。スパッと切れたケガならキズ痕があまり目立たなくなるよう修正可能ですが、面状に皮膚組織がえぐり取られると、ケガが治ってもキズ痕が引きつれてしまい、これを修正するには相当な時間と労力が必要となります。
しかし、キズ痕よりも問題になるのは顔面神経が切れた場合です。瞳より外側、特に眉の外側1cmほどや下顎縁の上から1/3のあたりでは顔面神経は比較的浅いところを走っています。筋肉に至るような深いケガをした場合は、顔面神経が切れて、前額や眉、口元が麻痺して動かなくなり、切れた神経を繋ぎ治しても麻痺が残ることもあります。実際には、骨折を伴うような大きな事故でも無ければ、顔面神経が切れることはまずありませんが、顔の切り傷はアートメイクだけにしておく方が無難です。

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皮フ科・形成外科 (163号掲載)

2016年08月更新記事
皮膚がんのお話 ① 基底細胞癌について

顔に黒っぽいイボが出来て時々血が出る、カミソリ負けをした後にジュクジュクして治らない、この数ヵ月でホクロが急に大きくなってきた等の症状はありませんか?もしかしたら、基底細胞癌かも知れません。
日本では、基底細胞癌は最も発生頻度の高い皮膚がんで、毎年2万人あたり1人が発症すると言われています。80%が顔や頭に発生し、60歳以降が全体の70%を占めています。ホクロのような黒いできものが大きくなって、中央がジュクジュクし、かさぶたが繰り返して出来る「結節・潰瘍型」といわれるタイプが多く、痛みや痒みはありません。典型例ではダーモスコピーという痛みのない検査で診断できますが、基本的には一部を切り取って組織を顕微鏡で調べる生検を行います。しかし、よく話題に上るメラノーマなどに比べると、進行は比較的遅く悪性度は低いため、早期に発見し、取り残しがないように切除できれば、命に関わるようなことはほぼありません。

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2016年06月更新記事
メラノサイトのお話 ③ シミについて

日差しも強くなりシミが気になる季節となりました。ソバカスとシミはどう違うのでしょうか?ソバカスはスズメの卵の色素斑に似ているため雀卵斑とも言われ子供の頃から現れます。一方、シミには、肝斑(カンパン)や老人性色素斑(日光色素斑)、単純黒子(盛り上がっていないホクロ)、炎症後色素沈着、脂漏性角化症(老人性イボ)、遅発性太田母斑様色素沈着症などがあり、ほとんどが成人してから出てきます。なかでも、紫外線の影響を受けやすい肝斑は30才代、老人性色素斑は40才代から濃くなってきます。
ソバカスやシミはそれぞれに、光線療法、レーザー治療、切除術、内服・外用療法など治療方法が異なり、また、数種類の色素斑が混在していることもあるため、対応を誤るとかえって濃くなってしまいます。色素斑の種類と各治療方法の長所と短所を理解した上で、適切な処置を受ける必要がありますが、紫外線対策が最も重要であることは言うまでもありません。

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2016年03月更新記事
メラノサイトのお話 ② 紫外線について

紫外線が気になる季節となりました。紫外線には皮膚でビタミンDを活性化して骨を丈夫にし、免疫力を高めるという重要な働きがあります。近年日本人のビタミンD不足が報告されており、乳幼児や高齢者では、くる病や骨粗しょう症の原因となっています。しかし、紫外線はシミやシワだけではなく、高齢化に伴い皮膚がんが発症する危険性を高めます。なかでも日光角化症は、湿疹と区別がつきにくく、カサカサした赤い皮疹がいつまでも消えず、放っておくと転移を起こすがんになる場合もあります。治療には良い塗り薬があるため、早めに見つけることが重要です。
このように紫外線との付き合い方は少し難しそうですが、関西では冬場以外、通勤・通学や日常のお買い物程度で十分にビタミンDは作られるため、直射日光には当たり過ぎないことが大切です。また、高齢者や日焼け対策をしっかりしている女性は、魚類やキノコ類を積極的に食べてビタミンDを補いましょう。

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皮フ科・形成外科 (160号掲載)

2016年01月更新記事
ケガのお話 ② 顔のケガについて

顔にスリキズやキリキズを負った場合は、かなり出血して気が動転することもあるかと思います。屋内でのケガの場合は、まず数分間、乾いたタオルやガーゼでしっかり圧迫して止血しましょう。パックリと口が開いたキズには縫合や医療用テープ固定をする必要があり、安易にキズ用絆創膏を貼り付けるだけでは大きなキズ痕を残してしまいます。半日以内に処置ができればキズ痕は目立ちにくくなるので、できるだけ早めに医療機関を受診して下さい。自転車などで顔から地面に転んだ場合にも消毒液を使ってはいけません。水で汚れを良く洗い流してから圧迫止血をして下さい。少々痛みますが、アスファルトなどは医療機関でこすり取らないと、手のひらに刺さった鉛筆の芯のように黒い痕がいつまでも残ります。強く打ち付けた場合は顔の骨を骨折していることもあります。口が開きにくかったり、大きく腫れ上がるようなら、CT等の画像検査ができる病院を受診しましょう。

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