脳神経内科 (126号載)

2012年01月更新記事
軽度認知障害 (2)

軽度認知障害(MCI)の多くは記憶の障害、特に直近のエピソードを忘れていることで気づかれます。これも本人がもの忘れを自覚する場合から、あまり気にしていない場合までさまざまです。一般にもの忘れの自覚がない人の方が、将来的にアルツハイマー型認知症に移行しやすいようです(アルツハイマー型認知症のハイリスク群)。

また自分の身の回りのこと(基本的ADL)はできていても、事務作業や家事一般など(手段的ADL)にはそれなりの困難があり、約半数は一定の介助を必要とします。この場合も手段的ADLの障がいが強いものほど認知症への移行する可能性が高いとされています。さらに米国の報告ではMCIの半数弱になんらかの精神症状を伴うとされており、その半分がうつ、残りの半分弱が無気力(アパシー)でした。うつを伴うMCIの場合も認知症への移行の可能性に注意が必要です。認知機能の評価法として一般によく用いられているものに、改訂長谷川式簡易知能評価スケール(HDS-R)やMini-MentalStateExamination(MMSE)などがありますが、東京医大の羽生教授によれば「1分間にできるだけ多くの“動物の名前”を挙げる」という簡便な方法で認知症やMCIの目安をつけることができるそうです。それによると健常老人では1分間に13から14個以上の回答は可能とのことです。(続く)

つちやま内科クリニック

土山雅人(日本神経学会専門医)
西宮市段上町1-1-22(甲東園駅東へ3分)
TEL:0798-57-3600
http://www.tutiyama-clinic.com/

矯正歯科 (126号掲載)

2012年01月更新記事
矯正のお話

私どもの診療において、私自身が特に大事だと考えているのは、最初のご相談です。まず、問診票で何が気になるのかということをいろいろな角度からお伺いします。子どもさんの場合には、正面からまず舌の動きをみるために、自分や小学校の名前、給食の内容などとりとめのないことを喋ってもらって、それから口の中をみせてもらいます。そうして、頭の中で情報を統合整理して、保護者にその子の固有の問題点を指摘し、解決するための具体的な矯正治療の方法について説明します。もちろん、おおよその期間や料金、支払い方法についてもお話します。

さて、本日の本題はここからです。問題点をお話して、子どもの健やかであるべき成長を阻害しているものについて説明をして、何が大事なのか、ある程度理解してもらったかなぁと思っていたら、「ところで、これは治さないといけませんか?」「他の方は治療をされるのですか?」などと質問をされることがあります。この手の質問には困りますが、お子さんのことですから、他人に問うことではないと思います。もとより、不正咬合の治療の目的はQOL(QualityofLife)の向上にありますので、こちらの価値観を押し付けるわけにはいきません。問題点を客観的にお伝えして、それを手掛かりとして、ご自身の価値観と照らし合わせて、ご判断いただくしかないと思っています。

西宮市・保田矯正歯科 保田好秀

フリーダイヤル:0120-87-3015
http://www.cybersuds.co.jp/yasuda/

リハビリテーション科 内科・胃腸科 (126号掲載)

2012年01月更新記事
認知症の介護を地域で

認知症は病気です。直接の介護者以外の家族には理解しにくい状態があります。特に別居している息子や娘たちが認知症を理解できていないので、ほとんど悪気のない行為でさらに介護者を疲れさせていることがあります。

介護者は毎日、認知症患者の予測できない行動などで疲れきっています。そこに年に数回、帰省などで子どもが帰ってきて、合理的、理論的に意見します。まさに「手は出さず口を出す」状態です。一言文句を言う前に「黙って手伝う」ことがどれだけ介護者の救いになるでしょうか?

また、認知症患者に対して近隣の偏見があります。「あんな人を放し飼いにして」と苦情を言う人もいます。これからは、地域で認知症患者とその介護者が住み慣れた町で安心して暮らせるような社会になって欲しいものです。

ほづ医院 保津真一郎 (内科医師)

西宮市里中町3-3-5阪神鳴尾駅北5分 TEL:0798-45-2711
http://www.asahi-net.or.jp/~RX2S-HZ/
E-mail: hozu@medical.email.ne.jp
※メールで健康・介護の相談受け付けています

今日から役立つ生活習慣病教室 (126号掲載)

2012年01月更新記事
糖尿病シリーズ(42)  GLP-1 アナログ

GLP-1アナログは膵臓のβ細胞に作用し、血糖の高さに応じてインスリンを分泌させます。インスリンに比べると単独投与では低血糖の危険性が低いとされています。血糖を低下させるだけでなく体重減少効果も認められています。インスリン注射が体重増加をきたす傾向があるのとは対照的です。GLP-1アナログに心保護効果やβ細胞の再生増殖など、従来の薬剤にはなかった作用も期待されています。膵臓のインスリン分泌が残存している場合に有効ですので、インスリン注射より早い段階で使用すべき薬剤です。ビクトーザとバイエッタの2種類があります。

いずれも発売から1年以上経過したので、長期処方が可能です。インスリンと似た形態の注射薬ですが、薬剤費はインスリンの約3倍と高価です。現在の製剤は1日1回か2回の注射が必要ですが、週1回の注射で済むタイプも開発が進んでいます。

渡辺内科クリニック 渡辺伸明(日本糖尿病学会専門医)

西宮市和上町2-39(阪神西宮駅西すぐ) TEL0798-23-5160
http://www.watanabe-naika.jp/
※栄養相談健診後の指導は院内「(有)トムテ」で行っています
TEL 0798-23-7633
http://www.tomte2006.jp/

眼科 (126号掲載)

2012年01月更新記事
強度近視に伴うさまざまな目の病気

裸眼で物を見たとき、近くははっきり見えるが遠くはぼやけるのが近視で、目から15センチほど離すだけでぼやけるなら、強度の近視です。強度近視はただ単に近視が強いだけでなくさまざまな目の病気を合併します。網膜剥離が起こる可能性は一般より高く、近視度が強くなるにつれ、また年齢が高くなるにつれて、その可能性はさらに高まります。緑内障は一般的に40歳以上の20人に1人ぐらいの割合で存在しますが、強度近視眼ではさらに多く、また比較的若くから起こり、強度近視の若年者がコンタクトレンズ処方の目的で眼科に来院した際に偶然発見されます。

白内障も比較的若い中高年から手術適応になることが多く、進行すると近視が進むという核白内障が特徴的です。もう一つ特徴的でかつ深刻なものとして、網膜のなかでも最も視力に関係する後極部が傷む病気である限局性網脈絡膜萎縮があり、そこに新生血管が生じると重い視力障害をきたします。強度近視の方には目の合併症があることを知っていただき、若くても一度眼科へ受診されることをお勧めします。

ふじもと眼科 藤本竜太郎(日本眼科学会眼科専門医)

西宮市田中町3-1-207(阪神西宮駅南すぐグルメシティ2階)
TEL0798-37-0808
http://www.fujimotoganka.com/

乳腺外科 (126号掲載)

2012年01月更新記事
乳腺よもやま話(6) デジタルマンモグラフィ

IT化の波は医療の分野にも押し寄せ、多くの医療機器がデジタル化されるようになりました。そんな中、マンモグラフィはデジタル化が難しいとされていましたが技術の進歩と価格の低下により多くの施設でデジタルマンモグラフィが導入されるようになりました。

当院でも昨年デジタルマンモグラフィを設置しました。読影に際して不安もありましたが、実際に使ってみるとほとんど問題は感じられませんでした。むしろ拡大やコントラストの変化などが簡単にできるため、見やすくなったように思いました。それよりもデジタル化の利点は著しいものがあります。まずレントゲンフィルムが不要になり、管理が非常に楽になりました。また電子カルテやデジタル超音波装置とデータが一元化できるようになり、参照や比較がとてもスムーズになりました。

今後は病院、医院間でのデータのやり取りや遠隔画像診断も進むものと思われます。今はまだまだですが、コンピュータ診断の可能性も高まっています。いずれにせよ機器の進歩に負けないよう、診断精度を上げ日常診療に生かしていきたいと思います。


さきたクリニック 先田功(医学博士・外科・乳腺専門医)

西宮市和上町2-35-101(阪神西宮駅西すぐ)
TEL0798-26-1222
http://www.sakitaclinic.com